2014年8月28日木曜日

12.9inchモデルのiPadが販売?

iPadに12.9inchモデルが追加されるとの噂がニュースになっている。


例えば日経新聞だと下記の記事


米アップル、12.9型「iPad」計画か 米メディア報道 2014/8/27 11:00

 【シリコンバレー=小川義也】米ブルームバーグ通信は26日、米アップルが画面サイズが従来より大きい12.9型のタブレット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」の発売を計画していると報じた。来年1~3月期にも生産を始める予定だとしている。

 アップルは現在、画面サイズが9.7型と7.9型の2種類のiPadを販売している。ただ、画面サイズが大きなスマートフォン(スマホ)の台頭や買い替えサイクルの長期化で、今年4~6月期の出荷台数は2四半期連続で前年割れとなるなど伸び悩んでいる。

 12.9型のiPadは、アップルの主力ノートパソコン「マックブックエア」の13型モデルにほぼ匹敵する画面サイズとなる。仕事にも使いやすい大画面タブレットを追加することで、法人需要を取り込む狙いがあるとみられる。

法人需要を取り込む狙いがあると書いてあるが,成功するか?
私は否だと思う。このデバイスはアップルのシェアを伸ばすものにはなりえないと考える。(OSがOS Xの場合,自製品のAirのシェアを食う可能性はある)

まず,OSが不明だがおそらくiOSだと思う。その場合,ここで法人需要の取り込みという狙いは潰える。デスクトップとタブレットの両方の用途を満たせないのであればこのサイズのタブレットを購入する必要がなく,現在のデスクトップとタブレット併用で良いからだ。また,OSが別なことによるソフトウェア開発のコストがOSの違いにより増えるのを企業は嫌うだろう。

次にOSがOS Xだったとして,この製品は魅力的か?
軽く考えたところ,タブレットとしても,デスクトップとしても使えるのであればとても魅力的に感じた。だが,深く考えたところこれは全然魅力的でないと私は結論付けた。

何故か?
それは,タブレットとして持ち歩くにはサイズが大きすぎるからだ。重さの問題ではなく,サイズの問題として,大きいタブレットは携帯が不便だ。それにデスクトップとして使うのであれば通常はモニタへ出力して使うので,画面サイズが大きいことは特に意味をなさない。むしろ大きい分机の上で邪魔になる。許容できる大きさはB5サイズまでだろう。

B5サイズ:182 × 257 ミリ
iPad Air(9.7インチ):169.5 × 240 ミリ(重量: 469 g)
Surface Pro 3(12インチ):201.3 × 292 ミリ(重量: 800 g)
MacBook Air(11インチ):192 × 300 ミリ
MacBook Air(13インチ):227 × 325  ミリ

では,どういうスタイルの人にこのようなタブレットは必要か?
机で作業することもできないほど忙しく,常に出張ばかりしており,移動しながら仕事をしているような人だ。具体的なターゲットは社長やスーパーサラリーマンのような人だ。

そういう人はこのタブレットを望むか?
答えはNoだ。そういう人に必要なのはこのような巨大なタブレットではない。

アップルが本当に更なる成長を目指し,法人の需要取り込みを目指すのであれば,まず行わなければならないのはこのようなタブレットに無駄な資金を投じることではない。
行うべきは下記のような戦略だ。

1.OS X搭載タブレット端末の開発(短期)
2-1.WindowsソフトウェアがOS Xで動作するようにOS Xを改良する(短期)
2-2.OS Xで動作するソフトウェアの開発支援教育。具体的にはERPパッケージ,物流管理,DCS操作。これが最低限必要なので,これを開発できる学生への教育支援。(超長期)(2-1と2-2はどちらでも良い)
3.タブレット端末の処理性能向上(現状のAir同等性能)(長期)
4.サイズ可変スクリーンの開発(超長期)

非常に残念だが,以上を根拠に今回の12.9inchモデルのiPad投入はビジネス的には失敗に終わると思うし,iPadの販売の伸びの低下は今後も続くと考える。
できるのであれば,私の考えが外れることを祈りたい。

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